概要
レーザー治療は標的となる組織に対してのみに選択的に反応するので標的以外の組織を可及的に保存することが可能となり、必要以上の侵襲を避けることができます。また、止血効果や生体組織の癒合など臨床的な有用性は多く挙げられますが、使用方法を誤れば危険な機器になることも否めません。
現在の歯科用レーザーは波長によって機種が分類され、適応する症例や対象となる生体組織や治療用材料成分も異なります。つまり、現時点ではどのような治療に応用するのかによって機種や波長を選択する必要があります。そのためにも、各種レーザーの基本的な性質や組織に対する反応のメカニズムを理解し、その波長と生体反応の関係を常に念頭に置いて、臨床応用することが重要になります。
(本文より)
内容
- 第一章 レーザーの基礎知識
- レーザーとは
- エネルギーの自然放出(Spontaneous Emission)
- エネルギーの誘導放出(Stimulated Emission)
- 波長(Wavelength)と周波数(Frequency)
- 放射(Radiation)
- レーザーの性質
- レーザー機器
- レーザーに対する組織の反応
- 第二章 レーザーの安全管理
- レーザーを安全に使用するために
- 各種の生体作用
- レーザーの安全性
- 眼球の構造とレーザー治療の留意点
- レーザー機器の取り扱いと安全
- 第三章 レーザーの臨床効果
- レーザーエネルギーの効果
- レーザー治療と生体反応
- バイオスティミュレーション(Biostimulation:生体活性化)
- 光線力学的療法(PDT:Photodynamic Therapy)
- 第四章 歯科用レーザーの波長別の特徴と臨床応用
- 付表:各歯科用レーザータイプの特徴
- 波長別レーザー機器便覧
- 用語集