インプラントジャーナル IMPLANT JOURNAL
86号

価格
4,730円(本体4,300円+税10%)
体裁
国際A4判
IMPLANT JOURNAL

特集

短縮歯列(SDA)における新たなインプラント補綴の概念 [ 林 揚春 ]
無歯顎へのプローチは、基本的に大臼歯部の咬合が前提のインプラント治療であり、歯列には大臼歯が必要という固定観念に囚われすぎた補綴処置になりやすい。
大臼歯の咬合を必要としない短縮歯列(Shortened dental arch:SDA)の概念は40年前に提唱されており、エビデンスもある。現在に至ってはその概念に併せて、ワイド・ショートインプラントの使用、第二小臼歯部の大臼歯化によるオクルーザルユニットの増加などにより、より侵襲が少なく、より短期間で、リスクの少ない安全なインプラント処置が可能となっている。本特集では、それら短縮歯列による新たなインプラント補綴の概念を紹介する。

内容

  • New technique
    ニューヨーク大学発 新しい水平的骨造成法の紹介 Custom Alveolar Ridge Splitting Part 1:コンセプトとテクニック [ 覚本 貴仁、澤田 光弘、Sang-Choon Cho ]
  • インプラントの咬合
    インプラント補綴における咬合付与のコンセプトとポイント [ 吉野 晃 ]
  • リレー連載
    即時荷重・即時プロビジョナリゼーションのすすめ13 歯槽骨の形態により制約された埋入ポジションに対しAGCブリッジにてセメント固定を回避した1症例 [ 奥寺 俊允 ]
  • サイナスリフト シリーズ連載
    上顎洞底挙上術におけるインプラント迷入の実態とその対応策 [ 小林 文夫 ]

編集部より

86号の特集はインプラント補綴における短縮歯列の新しい概念です。
欧米人(Caucasoid)と比較して、日本人(Mongoloid)は頬骨弓が前方に発達し、咬筋の幅も広く、筋が前方に付着しています。このような比較解剖学的差異から、日本人は欧米人と比較して開口量が少なくなるようです。一方で咬筋が前方まで広がっているので、咀嚼運動においては短縮歯列が有効に機能すると考えられます。症例の選択は必要ですが、林揚春先生が考案した短縮歯列の新たな概念をインプラント治療の選択肢の一つに加えることで、より負担の少ない治療が患者さんに提供できるものと期待されます。