メジャーなインプラントメーカーをはじめとするインプラントシステムのマイナーチェンジやモデルチェンジを見ていると、世界的にインプラント治療の潮流は「低侵襲」「短期間治療」の方向へ進んでいるようです。
長い治癒期間を必要とする骨移植や広範囲の骨造成処置を避けて、できるだけ既存骨で強固な初期固定が得られるインプラントシステムの登場が目立ってきました。これは、世界的にも患者の高齢化が進んでいるのが一因ではないかと考えます。日本は世界でも有数な長寿国であるがゆえに65歳以上の人口が人口全体の21%を超える超高齢社会に突入しています。結果として、患者は高齢化に伴う身体の衰えが進み、インプラント治療は短期間の機能回復が求められ、さらに口腔内で機能する期間は長期的な結果が求められています。
短期間の治療にはインプラントが骨結合を獲得するまでの間の機能回復をどうするかということも含まれます。本号では、これから世界各国が迎えると思われる高齢社会や超高齢社会におけるインプラント治療のお手本となるヒントが多くお伝えできているのではないかと考えています。