インプラントジャーナル IMPLANT JOURNAL
92号

価格
4,730円(本体4,300円+税10%)
体裁
A4変形
IMPLANT JOURNAL

特集

インプラント補綴における連結か非連結かの判断基準
[ 林 揚春 ]
連続するインプラントを上部構造で連結するか否かについて、明確な根拠をもってこれを決定しているだろうか。 本特集では、これまで生体力学的な重要事項として論じられてきたクラウン/インプラント比に換わる臨床的指標であるCrown height spaceの理論を中心に、インプラント補綴における連結と非連結の判断基準について解説する。

内容

  • 歯科技工による機能美の世界 最新デジタル技術vs歯科技工士の匠の技 後編 匠の技が織りなすフルマウスオーラルリハビリテーション [ 鈴木 光雄 ]
  • デジタルデンティストリーの現在 3Dプリンターによる即時審美回復を応用した低侵襲な前歯部インプラント症例 [ 李 昌弘 ]
  • 咬合の科学 シリーズ連載 咬合を紐解く 第4回 全顎治療介入の判断と治療の流れ [ 船木 弘 + 吉野 晃 + 下山 智成 ]
  • 臨床研究 有限要素法解析からの考察 その2 スプリットクレスト時の骨応力解析に基づくボーンチゼルの開発 [ 林 俊輔 ]
  • リカバリー症例報告 Locator attachmentを用いた前歯部インプラント補綴のリカバリー治療 [ 新名主 耕平 + 春日 太一 ]

編集部より

92号の特集テーマは林 揚春先生(東京都)による「インプラント補綴における連結か非連結かの判断基準」です。
上下顎臼歯部、とくに大臼歯が欠損した症例に対して連続した2本のインプラントを埋入した場合、上部構造は連結することが大前提とされているように感じています。しかし、患者自身の術後の口腔ケアなどを考慮した場合、非連結の単冠で処置した方が清掃性や口腔衛生管理面で優れた結果が得られるケースも多く存在します。
連続する臼歯部インプラントの上部構造は連結するという考えの明確な根拠は曖昧です。おそらく大きな咬合力を支持するためには上部構造を連結して、咬合力を下部構造であるインプラントに均等に分散したいと漠然とイメージしたからではないかと思われますが、すべてのケースで連結が必要とする根拠としては説得力に乏しいと考えます。
特集では、インプラントに加わる力のリスクを従来のクラウン/インプラント比ではなく、Mischらが2006年に報告したCrown-Height Spaceの概念に基づいて、プラットフォームスイッチングタイプのワイドあるいはエクストラワイド・ショートインプラントの臨床的有用性を、エビデンスベースで臨床応用するうえでのリスク管理の指標を示し、連結か非連結かの基準を提示されています。なぜ連結するのか、連結しないのかという生体力学的に曖昧であった根拠に対して、明確な一つの基準が理解できます。今後、インプラントの補綴設計を計画するうえでも、大いに役立つ情報が満載ですので、是非一読いただければと思います。