インプラントジャーナル IMPLANT JOURNAL
98号

価格
5,000円(本体4,545円+税10%)
体裁
A4変形
IMPLANT JOURNAL

特集

狭小な上顎前歯部歯槽堤に対する低侵襲・短期間攻略法 [ 中山 隆司 ]
既に他医院で抜歯を受けていたり、外傷で歯を失って長期間経過して狭小な歯槽堤を 呈しているというケースに対するインプラント治療においては、多くの場合審美性の 確保という名目でGBRやCTGが行われ、長期にわたる治療期間を費やしている症例も散見する。
本特集では、抜歯後長期間が経過した成熟側の狭小な上顎前歯部歯槽堤に対して、イ ンプラントのポジショニングとドリリングテクニック、補綴形態によって低侵襲で短 期間、かつ審美的なインプラント治療が可能であることを報告する。

内容

  • 審美的・機能的咬合治療 正中矢状面を基準とした歯科臨床 SHILLA SYSTEMを用いた咬合再構成 [ 吉野 晃 ]
  • 下顎頭骨折既往のある患者に対しての咬合再構成症例 [ 船木 弘 ]
  • New Method 角化歯肉襟付き結合組織移植を行ってインプラント周囲歯間乳頭を再生した1例 [ 嶋田 淳、園川 拓哉、井上 季咲、龍田 恒康 ]
  • アドバンスと言う勿れ 4S コンセプトで変化したインプラント治療 [ 水野 直紀 ]
  • 長期症例の検証 28年の長期症例に学ぶフルマウスオーラルリハビリテーション [ 鈴木 光雄 ]
  • 動的矯正力の有限要素解析 アライナー矯正をする前に知っておくべきForce mechanicsについて 有限要素法解析 そ(1) [ 林 俊輔 ]

編集部より

98号の特集は、「狭小な上顎前歯部歯槽堤に対する低侵襲・短期間攻略法」として中山隆司先生(大阪市)に抜歯後長期間が経過して唇側歯槽堤が萎縮した上顎前歯部に対する低侵襲で短期間のインプラント審美補綴治療法を示していただきました。
これまでのGBRやCTGありきのインプラント治療ではなく、インプラントの埋入ポジションとドリリングテクニック、歯肉縁下を含む補綴形態などを林揚春先生(東京都)が提唱する4Sコンセプトの原理原則に従って処置していくことで痛みや腫れもない低侵襲で短期間治療が可能になることが示されています。
唇側骨が萎縮した歯槽堤に対して、これまではGBRによってインプラントの唇側に骨を造ろうという考え方ですが、低侵襲・短期間攻略法ではインプラントの唇側に1mm以上の既存骨を残そうという考え方です。また一方で、本来抜歯前の段階で治療を複雑化させない配慮が必要であるという警鐘も鳴らしています。
抜歯してからインプラントの治療計画を立てるのではなく、抜歯する前に十分に精査して本当に抜歯なのか、あるいは唇側骨が保存できるRoot Membrane Techniqueが応用できるのかなどの判断をすることも重要です。特に唇側歯根片を残すRoot Membrane Technique はインプラント審美補綴のGame Changerとなりうる革新的なテクニックであり、その内容の詳細については弊社より書籍「Root Membrane Technique のすべて」として近日中にお届けできる予定ですのでご期待ください。