今号の特集「Minimalismを極める 第2回」では、明海大学歯学部機能保存回復学講座 オーラル・リハビリテーション学分野 教授の鈴木 玲爾先生より「超高齢社会におけるインプラント治療はどうあるべきか」というテーマで執筆をいただきました。内容は、ミニマリズムの考え方に則った低侵襲・短期間のインプラント治療が、高齢社会あるいは超高齢社会にどれだけ適応していくのか、そしてそれらがもたらす恩恵などについて解説いただいています。
大学といえば国の最高教育機関と位置づけられていますが、インプラント臨床に関しては主に二回法を選択する数十年前のエビデンスに準じたインプラント治療が教育のスタンダードになっていて、それが少なからずインプラント臨床の発展を妨げているようにも感じていました。本来なら、大学が率先して新たなエビデンスを検証し、最新の機器・器材を駆使して、より低侵襲で短期間に終了するインプラントの新たな治療法のエビデンスを確立する立場にあるのではないかと思っていますが、なかなか難しい問題もあるようです。そのような中、今回の鈴木 玲爾先生による特集は日本のインプラント教育にも一石を投じるのではないかと期待しています。
新たなインプラント治療プロトコルをチャレンジングと一蹴するのではなく、患者のことを考えた上でチャレンジングなのか進化なのかを判断することが大切な時期に来ていると痛感しています。